被災地での法律紙芝居

先週25日,年明けから参加させていただいていた,日本難民支援協会の震災復興支援活動,中締め会がありました。 
この活動は,被災地の仮設住宅を訪問し,紙芝居形式で被災者の方々に知っていただきたい重要な法律知識を紹介し,さらに個別のご相談もお受けするというものです。 
このプロジェクトは震災直後に立ち上がったもので,多くの弁護士が毎週末チームを組んで被災地を訪れておられました。 
年明けにロースクール同期が声をかけてくれたのをきっかけに,1月と5月の2回,活動に参加させてもらいました。 



1月。昨年夏の南相馬での法律相談(こちらは弁護士会の活動です。)以来の被災地訪問となりました。 
1日目は,石巻の南境仮設を訪問しました。 司法修習地が秋田だったので,東北の冬には多少慣れているつもりでしたが,やはり寒さは厳しかったです。 
法律紙芝居を始める前に,できるだけ多くの仮設を個別に訪問し,お声がけをするのですが,そのうちの1軒で,「寒いのに大丈夫?風邪なんかひかないようにね。」との言葉をいただきました。寒さが吹っ飛んだ瞬間でした。 

 2日目,陸前高田。


  陸前高田2012.1.JPG 


震災から1年が経とうとする時期で,海沿いも,ある程度瓦礫の片づけが進んでいたものの,そのせいか景色がいっそう荒涼としたものに感じられました。 

紙芝居を使っての説明を担当させていただいたのは,この時が初めてだったのですが,弁護士を身近に感じてもらうために,有効なツールだと思いました。 
個別の相談では,「弁護士は敷居が高いから,相談しにくい。」と率直におっしゃる方もいて,弁護士のほうから積極的に相談しやすい空気を作らなければと,堅い雰囲気にならないよう,難しい法律用語などを使わないよう,心がけました。 

私は,相続についての紙芝居を担当していたためか,相続関係のご相談を多く受けました。
中でも,震災で突然家族を亡くすという経験をされたからか,自分にもしものことがあった時に備えて遺言を作ることを考えているとのご相談が複数あり,印象に残っています。 

被災地・仮設住宅での生活そのものが迫ってくるご相談が多く,被災した方々の生活の厳しさを実感する訪問となりました。 



5月。ゴールデンウィークに2回目の訪問。 1日目・2日目とも陸前高田の仮設住宅を訪問しました。 
1日目午後に訪問した,本町仮設。



  本町仮設.JPG 



 木造で,一戸ごとに独立した仮設住宅でした。 前回訪問した仮設は,平屋建てで,隣の音など生活のストレスが強いのではないか…と感じましたが,この構造であれば,多少なりとも負担が軽くなるのかなと思いました。 
入居者の方に伺ったところ,やはり倍率が高かったそうです。 


宿泊させていただいた,光照寺さん。
1月・5月ともにお世話になりました。 
素敵な住職がおられます。



光照寺.JPG



自宅が流されてしまったり壊れてしまった方に支給される生活再建支援金の紙芝居の際,熱心にメモをとっている方がおられたり,家の建設や,県からの補助金の支給についてのご質問が多かったりと,少しずつ新しい生活が具体的になってきている印象でした。 
1月から,変化を感じた訪問になりました。 
新たな生活の基盤作りが,思ったほどに進んでいない現状があるようです。 
今後,1日も早く,被災者の方々のニーズにあった環境整備が進んでほしいと思います。
中締め会でも,徐々に被災地での新しい生活が始まりつつある中,これからますます弁護士が必要になる,と言っておられた先生がいました。そのとおりだと思います。 



中締め会では,当初から活動の事務局として頑張っていた同期が,初期の訪問の時に使っていた初代紙芝居を見せてくれました。 
手書きの部分も多い紙芝居を見て,当初からかかわってこられた弁護士,スタッフの皆さんは,これを持って被災地に駆けつけたのかと,胸が熱くなりました。
 私が使わせていただいた紙芝居は,情報の変化に応じて更新され,パワーポイントでとてもきれいに見やすく作られたものでした。 


これまで,2回ではありましたが,このような活動に参加させていただき,光栄でした。
少しでも情報をキャッチしてくださった被災者の方がおられたなら,こんなにうれしいことはありません。 

これからも,有志で,陸前高田の公設事務所に赴任して頑張っておられる弁護士や地元の弁護士の皆さんのサポートのため,活動を続けることになっています。 
私もできる限り,足を運びます。 


被災地での活動をとおし,弁護士を必要とする方々にとって,弁護士はまだまだ遠い存在なのだと実感しました。 
地方だからなおさら…とも思いますが,弁護士の多い東京でも,弁護士に相談してよいのか,どこに行けばよいのか,迷われている方もたくさんおられるのが現状なのだと思います。
日々の業務のあり方について,改めて考えるきっかけになりました。 

この活動誘ってくれた同期に改めて感謝します。ありがとう! 


投稿者:圭
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