『下請け「不当要求経験」1割』との報道

昨日(1月27日)の日本経済新聞(夕刊)に,『下請け「不当要求経験」1割』と題して,約47万の建設業者から無作為に抽出した約1万1千業者を対象に実施した調査結果が掲載されていました。
記事によれば,「下請けとして工事を受注したことがあると回答したのは約9千業者。このうち11.7%にあたる約1千業者が元請けから不当な要求を受けたことがあるとした。」とのことです。
不当な要求の内容としては,着工後の契約締結,書面による契約がないケース,元請け業者による一方的な請負金額の指定(指値発注)等が挙げられています。
不当な要求を受けたことがある,とした建設業者が約1割との調査結果とのことですが,当事務所にも以下のようなご相談がありました。

・契約書を締結しないまま追加工事をせざるを得ず,追加工事分の請負代金を支払ってもらえない。
・見積もりを提示したが,不当に低額な請負代金で契約を結ばざるを得なかった。
・自社は二次下請けにあたるが,一次下請け業者が請負代金未払いのまま事実上の倒産状態になってしまった。元請け業者から一部でも回収できないか。

建設工事に関するルールは,建設業法によって定められるとともに,国土交通省から「建設業法令順守ガイドライン」(元請負人と下請負人間発注者・受注者間)が出されていますが,明らかに建設業法に違反しているケース,また法令違反とまでは言えないまでも,下請け業者にきわめて深刻なしわ寄せが生じているケースもあります。
下請け業者に対する,費用面・工期面での過度な圧迫が行われた場合,使用建材の価格抑制による強度の不足,工事プロセスの簡略化等を招く危険があり,建築物の安全性低下に直結しかねません。
建築物の大小にかかわらず,そのインフラを利用する市民の生命・身体に直結するきわめて危険な事態であり,深刻な問題です。

関連記事として,『「多重下請け」是正検討 杭データ改ざん問題 国交省、法改正も視野』 が掲載されており,昨年発覚した杭データ改ざん問題以降の中央建設業審議会等での議論状況が紹介されていました。
今後,建設業法の改正,ガイドラインの改定等について注視していきたいと思います。


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