弁護士の「敷居の高さ」について考えてみました−後編−

弁護士の「敷居の高さ」について,続きです。

3 どんな弁護士出てくるのかわからず不安・弁護士が身近に感じられない

弁護士人口が増えたとはいえ,弁護士を「身近な存在」とまで感じておられる方は,まだまだごく少数なのが現状かと思います。
また,できれば一生「お世話になりたくない職種」という位置づけも相変わらずのようで,実際に「できるだけお世話にならないように頑張ります(笑)」などと言われることもしばしばです(これは弁護士の仕事が,深刻な紛争とセットというイメージだからだと思うのですが,4にご紹介するとおり,シビアな紛争状態の事件ばかりをやっているわけではありません。)。
そもそも,日常から離れた存在の上に,どんな弁護士が出てくるのかわからないのでは,相談のハードルも高いのではないでしょうか。

当事務所では,ウェブサイトや広報誌等を経由して当事務所にアクセスされる相談者の方向けに,少なくともどのような弁護士が相談をお受けするのかわかるよう,顔写真を掲載しています。多少は,ご相談のハードルが下がるとよいのですが。

また,当事務所は井の頭公園から五日市街道に至る「公園通り」に面しているのですが,せめて地元の方々くらいには実際に顔が見える存在でありたいという思いから,地元の企業・事業主の方で構成されている公園通り商店会のメンバーとなり,所長は理事を務めさせて頂いております。
毎月2回の通りの掃除や,フラワーポットの植え替え,街頭のフラッグの付け替えなど,所員も活動に参加しています。吉祥寺に事務所を開設して6年目になり,顔見知りの方も増えました。
昼夜問わず,通りを歩いているとご挨拶する方が増え,「娘さん大きくなった??」などと声をかけられることも。

地元限定ではありますが,身近に弁護士がいることが当たり前という感覚を持つ人が増えてほしいと思っています。


4「裁判しか頼めない」という誤解

裁判をおこされてしまった,あるいは裁判をするしかないと思うとご相談に来られる場合がよくあります。お尋ねすると,それまでの段階で,抱えている問題が法律問題なのかわからないので,弁護士に相談してよいのか迷ったとか,トラブルは起きているがどの段階で相談に行ってよいものか決断できなかったなどと,それまで悩んで来られたケースが多いのです。弁護士何を頼めるのかがよくわかないため,弁護士の活用がとても制限的に考えられている傾向があるように思います。

弁護士がご相談・ご依頼に応じることができるのは,「法的なトラブル」ということになります。
日本は,法治国家ですから,社会生活・経済活動等あらゆる分野に渡って多くの法律があり,権利や義務,様々なルールが決められています。したがって,多くの問題は「法律問題」である可能性が高いと言えるでしょう。
なので,まずはトラブルが法律問題である可能性があることを念頭に,弁護士に相談されるのがよいと思います。
「離婚」や「債権の回収」などといったわかりやすいケース以外にも,個人の社会生活,企業の経済活動ともに,日常的に多くの問題が発生しており,その問題を弁護士が解決できる可能性があります。
当事務所では,まず法律相談のご予約の際に,簡単な事件の概要を伺い,弁護士がお力になれそうな事件かどうか判断してからご予約をおとりするようにしておりますので,まずはご一報いただければと思います。

次に,トラブルのどの段階で弁護士に相談するのがよいか,という点です。これは,早ければ早いほどよいと思います。
たとえば,建売住宅を購入するという場合を考えてみると,〃戚鵑魴襪崛阿坊戚鷭颪鮓てもらう→引渡しを受けた自宅に欠陥があるので業者負担で修理を依頼したら,その欠陥は契約書上買い主負担と言われてしまったので交渉したい→6伴垳鮠弔長引いて,どうにもうまくいかないというトラブルの流れが考えられます。

,涼奮で相談に来て頂ければ,弁護士が契約書をチェックし,不利な条項を修正してご提案することができますので,後の交渉をかなり有利に進められることになります。
△涼奮でご相談に来られた場合,問題点を整理してご自身で交渉を進められるにあたっての注意点や方向性を助言することもできますし,弁護士が代理人となって交渉そのものをお引き受けすることもできます。
の段階となり,交渉が行き詰まって来ると,調停や訴訟など法的な手続を起こすしか選択肢がない場合も多く,法的手続の代理をお引き受けすることになります(これはあくまでもイメージですので,実際には個別の事案によります。)

このように,早くご相談に来て頂いた方が,リスク低減に役立ち,弁護士にかかるコストも抑えられます(法律相談や契約書チェックと比較すると,法的手続等の代理をお引き受けする方が高額になるため。)。
以上は,個人の方のトラブルを例に出しましたが,企業の場合は,問題となる金額が高額になる傾向があるため,一層早期の相談が合理的といえると思います。

裁判にならないと弁護士に依頼できないのではないか,という点については,以上にご説明したとおり,全くそのようなことはありません。

当事務所の弁護士は3名いますが,たとえば,1名は裁判所に外出,1名は契約書の作成やチェック,1名は法律相談と,日々それぞれが様々な仕事をしています。


5 おわりに

弁護士の敷居が高い理由は他にもあるのだろうと思いますが,多くは,弁護士側の情報発信不足が原因で,弁護士自身が利用のハードルを高くしているという側面があるように思います。
私自身も,日常業務に追われて,利用者の皆様に向けた情報発信が十分にできているかと言われると,反省する部分が多々ありますが,今後も利用しやすい事務所を作っていけるよう努力したいと思っています。

投稿者:圭


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弁護士の「敷居の高さ」について考えてみました−前編−

「弁護士は敷居が高い」(=相談しにくい)ということが,しばしば言われ,実際に,ご相談者から,なかなか法律事務所に問い合わせることができなかった,相談しにくかった,という声が聞こえてくることもあります。
この「敷居の高さ」は,どこに原因があるのか,相談者の皆さまが足を運びやすい事務所にし,スムースに法的トラブルを解決して頂くにはどうすればよいのか,ご相談者の声を踏まえて,考えてみました。


1  弁護士報酬は「高い」というイメージ−最低でも100万円?!−

一般に,弁護士の報酬は高額であるというイメージが根強いように感じます。が,実際にかかる費用よりも,相当高額の報酬を請求されるのではないか,というイメージを持っておられる方が多いように思います。法律相談が終わり,事件をお受けするという流れになった際,ご相談者の口からしばしば出てくるのが,「最初に100万円くらいかかりますか・・・?」というご質問です。弁護士に頼むなら,なんとなく100万円くらいかかるんだろうな,と思っておられる方が多いからこそのご質問だと思うのですが,たとえば,個人の方からのご依頼が多い離婚事件の着手金は事案によって30万円から50万円程度(消費税別)です。また,企業・個人双方からご依頼のある債権回収の案件で,着手金が100万円を超えるのは,相手方に対して1800万円以上の請求をする場合です(詳しくは,当事務所ウェブサイトの「弁護士報酬」のページをご覧下さい。)。

このように,「最低100万円神話」は,「実話」とは開きがありそうです。が,それでも結局いくらかかるのかわからない,相談に行ったが最後,高い報酬を請求されるのではないかというご不安があるのではないかと思います(そんな押し売りのようなことは,もちろんしませんが。)
当事務所では,相談をお受けした上で,事件の依頼を検討されたいというご依頼者には,相談を踏まえ,〇件の解決方針,着手金のご提案,J鷭袈發慮通しを記載した,A4で1枚から2枚程度の見積書をお出ししています。既に当事務所への依頼を決めておられるご依頼者とはすぐに委任契約を締結いたしますが,やはり即決はできないという方も多いので,このような対応にしています。見積書には明確に金額を書きますので,納得した上で,依頼をしていただけるのではないかと思います。

また,報酬ですが,当事務所の報酬基準(現在は自由化されていますが,当事務所は旧来の弁護士会の報酬基準を使用しており,同様の事務所が多いと思います。)に基づく成功報酬は,事件が終了した段階で経済的利益があった場合(たとえば,300万円の支払いを受けられた場合は,300万円が経済的利益となり,1000万円請求されていた事件で,支払いを300万円に押さえられた場合は,減額分の700万円が経済的利益になります。),その金額の何%という形でいただくことになるので,得られた利益を上回る請求をすることはありません。支払いを受ける側の事件の場合,基本的に報酬金が持ち出しになることはない,ということです。

数年前の人気ドラマ「リーガル・ハイ」では,主人公の古美門研介弁護士が,800万円の慰謝料請求事件の報酬として,1000万円を請求していたような記憶がありますが,この基準に基づけば,通常起こりえない請求ということになりますね(笑)。

なお,報酬基準に基づいてご提案した弁護士報酬が高いと感じられるかどうか,という点については,報酬に見合った(またはそれ以上の)ご満足をいただける仕事を私たちがするかどうかの問題と考えています。

※なお,ご依頼内容によっては,時間制(タイムチャージ)で報酬を請求させて頂くこともありますが,その場合にも,時間単位の金額,清算方法等はお見積もり段階でご説明します。



2 相談料がいくらかかるかわからないから,そもそも相談に行きにくい

1では,事件をご依頼頂く場合の,着手金・報酬等について考えてみましたが,そもそも法律相談にかかる費用がわからないので,相談に二の足を踏んでしまう,ということもあるのではないか,と想像します。

当事務所では,法律相談料は5000円(消費税別)/30分ということで,ご案内していますが,1時間かかれば1万円だし,3時間かかるなら3万円と,確かに実際にかかる金額がわかりにくいなと思いました。お電話で相談の問い合わせを頂く際には,初回のご相談で1時間程度はみていただきたい,とご説明しています。込み入った案件では1時間半から2時間かかることもありますが,問い合わせの際に,ご相談の概要を伺い,相談時間の見通しをお伝えするようにしています。

また,ご相談時に事件として(訴訟・調停・代理人としての交渉・文書作成等)お受けすることが決まった場合は,相談料はいただいておりません。

以上のとおり,とりあえず,初回の法律相談料は,1万円と消費税,と理解して頂けるとよいのではないかと思います。

後編では,「3 どんな人が出てくるのかわからず不安・弁護士が身近に感じられない」「4 裁判しか頼めないという誤解」というテーマについて,考えたみたいと思います。

投稿者:圭


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